a+b+c=abc という条件をもつ不等式
今回は、典型的な \(\tan\) 置換の不等式を解いていきたいと思います。
問題
問題: a+b+c=abc という条件を持つ不等式
正実数 \(a,b,c\) は \(a+b+c=abc\) を満たす。このとき、以下の不等式を示せ。 \[ \frac{\left(abc\right)^{2}}{\left(a^{2}+1\right)\left(b^{2}+1\right)\left(c^{2}+1\right)} \leq \frac{27}{64} \]
\(a+b+c=abc\) という条件を見たらまず考えるべきことがあるので、それを中心に解説していきます。
解説
\(\tan A=a,\ \tan B=b,\ \tan C=c\) となるように \(A,B,C\) を定める。ただし、\(0 \leq A,B,C < 2\pi\) である。このとき、条件より、\(\tan A+\tan B+\tan C=\tan A\tan B\tan C\) であるから、\(A+B+C=\pi\) となる。
(参考:三角関数の不等式)
まとめ
典型を組み合わせた問題でした。普通に斉次式化を考えてゴリゴリやっていっても解けないことはないですが、計算地獄に陥ると思うので工夫しましょう。
・\(a+b+c=abc\) という条件を見たらtanによる置換を考えるのはマジで大事です。
・\(\tan^{2}X+1=\frac{1}{\cos^{2}X}\) 等の関係式を用いて整理する。
・AM-GMやJensen等の有名不等式を用いる。